メインコンテンツに移動
(Enter を押します)

戦略、目標、排出量データ

シスコは、気候変動への対処、循環型経済の推進、地球の限りある資源の責任ある管理に注力しています。

戦略

シスコは何十年もの間、自社が人々と地球にプラスの影響をもたらす方法を進化させ、拡大してきました。これらの取り組みすべての中心にあるのは、「すべての人のためにインクルーシブな未来を実現する」というより大きな目的です。すべての人に可能性と機会が提供されるインクルーシブな未来を実現するには、持続可能性を追求し、環境が被っている影響に対処する必要があります。シスコはクラウド、ネットワーキング、ハイブリッドワーク、セキュリティ関連テクノロジーを提供する世界屈指のプロバイダーとしてスケールメリットを活かし、イノベーションを駆使することで、デジタル化の一途をたどる未来を持続可能で公平かつ回復力のある社会にすることに尽力します。シスコはあらゆる関係者と協力して持続可能性を追求しており、持続可能な事業体制を社内で構築するだけでなく、サプライヤの参画を求め、お客様や地域社会が環境に与える影響を減らして変化する世界に適応できるように支援しています。

気候変動と GHG 排出はすべてのステークホルダのグループにとって最優先の事項です。シスコにとっても気候変動の問題はリスクに対処するだけでなく、将来の低炭素社会へと移行するために長期的な視点で戦略的に取り組まなければならない事項です。シスコは、エネルギー効率化の取り組みや再生可能エネルギーへの投資、サプライチェーンパートナーとの連携、製品のエネルギー効率の向上などを通じてバリューチェーン全体での脱炭素化における自らの役割を果たします。また、持続可能性と循環型経済の原則をシスコの事業全体に組み込んで、資源の消費量や廃棄物の量を削減する取り組みを続けています。さらにシスコは、自らが事業を展開しているあらゆる場所で責任ある管理者として行動し、水不足、廃棄物、汚染、種の多様性などの問題に対処することの重要性を認識しています。

シスコは、循環型思考を以下に挙げる主な 5 つの領域に組み込んでいます。環境に最も大きな影響を与える可能性があるのはこれらの領域であると考えているからです。

  • 循環型設計:循環性(再利用、修理、リサイクル、リソース効率など)を念頭に置いて製品と梱包方法を設計します。
  • 循環型事業:シスコのバリューチェーン全体で消費を削減し再生可能な資源を使用します。
  • 循環型消費:複数回のライフサイクルを考慮して機器を管理し、このアプローチを促進する新しいビジネスモデルを展開します。
  • 循環型ソリューション:お客様に循環型経済の価値をもたらす新たなテクノロジーソリューションとサービスを他に先駆けて開発します。
  • エコシステムリーダーシップ:業界のイノベーション、コラボレーション、公共政策を通じて循環型経済を推進します。

環境関連のトピックスにおけるガバナンス

シスコは環境に関する企業方針の中で、シスコの環境パフォーマンスを継続的に改善していくための大まかな枠組みを定めています。詳細については、環境コンプライアンスをご覧ください。

環境保全の意識は、チームと職務を超えてシスコ全体に根を下ろしています。4 人のエグゼクティブが、環境保全に関するイニシアチブを統括しています。このような体制になっているのは事業、広義の事業範囲(サプライチェーン)、シスコ製品の 3 つの面に影響を及ぼすこの問題の多面的な性質の表れです。

  • バイスプレジデント兼最高持続可能性責任者がシスコの持続可能性への取り組みすべてを統括し、シスコ全社で持続可能性戦略を実行する責任を負っています。
  • 「人、会社方針、パーパス」担当最高責任者がスコープ 1 およびスコープ 2 の排出量削減、再生可能エネルギー、CDP の気候変動と水に関する年次アンケートへの回答など事業に影響を与えるすべてのイニシアチブを統括します。
  • サプライチェーン業務担当シニアバイスプレジデントが、循環型経済とサプライチェーンのサステナビリティに関するイニシアチブを統括します。
  • ハードウェア エンジニアリング担当シニアバイスプレジデントが、2 名のシスコフェローとともに製品のエネルギーアーキテクチャと製品のエネルギー効率化に責任を負います。

シスコが現在取り組んでいる環境目標

2021 年 9 月に、シスコはこれまでで最も野心的で重要な目標を設定しました。それは、すべての排出スコープにわたる大幅な排出削減に重点的に取り組み、2040 年までにバリューチェーン全体でネットゼロを達成することです。シスコのネットゼロ目標は自社製品の使用から事業活動、サプライチェーンまでも包括し、シスコの CO2 排出量全体が対象になっています。

表の左側の列にあるリンクをクリックすると、各目標に関するシスコの公式発表が開きます。右側の列のリンクをクリックすると、目標に対する実績が掲載された別のページや資料が開きます。

目標の発表時期 目標のトピック 目標 2022 年度の進捗(特に記載のない限り基準年度比)
目標の発表時期:2021 年 9 月 目標のトピック:GHG 目標:スコープ 1、2、3 の絶対排出量を 90% 削減して GHG 排出量ネットゼロを達成する1(2019 年度基準)。詳細については、以下の「スコープ 1 ~ 3 の排出量の概要」表を参照するか、ネットゼロのページを参照。 2022 年度の進捗(特に記載のない限り基準年度比):取り組み中。2025 ~ 2030 年度の短期目標に対する進捗状況を報告しています。
目標の発表時期:2021 年 9 月 目標のトピック:GHG 目標:スコープ 1 とスコープ 2 の絶対排出量を 2025 年までに 90% 削減する1(2019 年度基準)。 2022 年度の進捗(特に記載のない限り基準年度比):39%
目標の発表時期:2021 年 9 月
* 2022 年度に拡大
目標のトピック:GHG 目標:

購入した製品とサービス、輸送および配送(上流)、販売した製品の使用によって排出されるスコープ 3 の絶対排出量を 2030 年までに 30% 削減する(2019 年度基準)。2

詳細については、以下の「スコープ 1 ~ 3 の排出量の概要」表を参照。

2022 年度の進捗(特に記載のない限り基準年度比):22%
目標の発表時期:2018 年 9 月 目標のトピック:エネルギー/GHG 目標:大規模なラックマウント機器システムの電力効率(基板実装 ASIC、メモリ、その他のチップデバイスに施設から投入される電力を測定)を 2022 年度までに 77% から 87% に改善する(2016 年度基準)。詳細については、電力効率を参照。 2022 年度の進捗(特に記載のない限り基準年度比):87%
目標の発表時期2019 年 8 月 目標のトピック:エネルギー/GHG 目標:2025 年度までに、シスコの部品、製造、物流サプライヤの 80%(調達額の割合)に、GHG 排出の絶対的な削減を公的な目標として設定させる。3 詳細は「サプライチェーンにおける環境スチュワードシップ」を参照。 2022 年度の進捗(特に記載のない限り基準年度比):78%
目標の発表時期2019 年 7 月 目標のトピック:製品と梱包材 目標:
  1. シスコ製品の梱包に使用しているフォーム緩衝材を 2025 年度までに重量基準で 75% 削減する(2019 年度基準)。詳細は「梱包」を参照
2022 年度の進捗(特に記載のない限り基準年度比):23%
目標:
  1. 製品梱包の梱包効率を 2025 年度までに 50% 向上させる(2019 年度比)。4 詳細は「梱包材」を参照。
2022 年度の進捗(特に記載のない限り基準年度比):累積で 36% の改善
目標:
  1. 2025 年度までに、シスコの部品・製造サプライヤの 70%(調達額の割合)が、1 つ以上の施設で廃棄物ゼロ転換を達成する。5 詳細はサプライチェーンにおける環境スチュワードシップを参照。
2022 年度の進捗(特に記載のない限り基準年度比):少なくとも 1 つの認定拠点で 51%(調達額の割合)
目標:
  1. シスコの新製品と梱包の 100% に循環型設計の原則を導入。6
2022 年度の進捗(特に記載のない限り基準年度比):4% が循環型設計の基準を満足
目標の発表時期:2022 年 10 月 目標のトピック:製品と梱包材 目標:シスコ製品に使用されるプラスチックの 50%(重量基準)をリサイクル素材にする。7 2022 年度の進捗(特に記載のない限り基準年度比):未報告

1 また残りの排出量は大気中から同量を除去することで相殺

2 この目標は、2030 年度までにシスコのサプライチェーン関連のスコープ 3 GHG 絶対排出量を 30% 削減するという以前の目標を拡張したものであり、販売した製品の使用が含まれています。2030 年度の目標に対して報告される基準値や進捗状況には、製造、部品、倉庫サプライヤから購入した製品とサービス、シスコが購入した航空輸送からの輸送および配送(上流)、販売した製品の使用が含まれます。

3 認められた科学的根拠のある方法論に沿ったものが望ましいです(1.5°C または 2°C を大幅に下回るシナリオを想定)。目標期間中に絶対排出量の削減が実現する原単位目標を設定したサプライヤを含みます。

4 梱包効率は、容積重量を使用して製品サイズを梱包と比較することで測定しています。容積重量は、容積と標準容積係数を使用して計算した梱包重量です。この方法では、正規化した容積重量の基準値と本年度の差に基づいて梱包効率の指標が算出されます。

5 認定プロトコルにおける現在の標準的な定義によると、「廃棄物ゼロ」転換とは、埋め立て、焼却(廃棄物からエネルギー回収)、環境への投棄から転換された無害な固形廃棄物の割合が全体で 90% 以上であることとされています。転換方法には削減、再利用、リサイクル、または堆肥化処理が含まれます。

6 2022 年度にスコアリングツールをソフトローンチして新製品および梱包の 13% を評価したところ、33% が循環型設計の基準を満たしていました。したがって、2022 年度にリリースされた新製品および梱包全体の 4% が循環型設計の基準を満たしていたことになります。このスコアリングツールは 2023 年度の初めにすべての事業部門で正式にローンチされたため、2023 年度には評価される新製品および梱包の範囲が広がるものと予想されます。

7 この目標では、サプライヤから調達される汎用部品(プラスチック製のネジ、ファン、ケーブルなど)に含まれているプラスチックは対象外です。

この目標はシスコによるすべてのスコープの排出量を対象としているため、排出量削減へのアプローチも同様に広範なものになります。ネットゼロの達成に向けたシスコの戦略には次のようなものがあります。

  • 革新的な製品設計で製品のエネルギー効率を継続的に向上させる。
  • サプライヤが事業を展開するコミュニティを含め、再生可能エネルギーの使用を推進する。
  • 持続可能性と循環型経済の原則を導入する下記のような取り組みを事業全体で推進する。
    • 循環経済の原則である再利用と資源効率を、製品の設計、調達、製造、提供の方法に組み込む。
    • GHG 削減目標の管理と報告にあたっては、製造、コンポーネント、物流の各サプライヤに働きかけ、対前年比でのパフォーマンスの改善に影響力を発揮する(サプライヤによる GHG 排出削減の取り組みについてはこちらを参照)。
    • ビジネスモデルを進化させ、複数回の製品ライフサイクルをサポートする。
  • ハイブリッドワークを推進する。
  • 革新的な炭素除去ソリューションに投資する。

シスコは 2040 年までにすべてのスコープで GHG 排出のネットゼロを達成することを掲げています。

このネットゼロの目標は、Science Based Targets イニシアチブ(SBTi)によって同イニシアチブのネットゼロ基準を満たしていることが検証されています。SBTi は、2030 年までに世界の排出量を半減し、2050 年までにネットゼロを実現するという必要性に沿って、科学的根拠に基づいた目標設定のベストプラクティスを定めています。シスコは、テクノロジーハードウェアおよび機器企業の中でもいち早くネットゼロ目標を設定しており、シスコの目標は SBTi のネットゼロ基準を満たしていることが検証されています。

2040 年までにネットゼロを達成するというシスコの公約には、以下の 2 つの短期目標が含まれています。

  • 2025 年までに:全世界でのスコープ 1 およびスコープ 2 の排出量を 90% 削減します(2019 年度基準)。残りのスコープ 1 およびスコープ 2 の排出は、信頼できる GHG 排出除去プロジェクトを通じて大気から同量を恒久的に除去することにより相殺します。
  • 2030 年までに:購入した製品とサービス、輸送および配送(上流)、販売した製品の使用によって排出されるスコープ 3 の絶対排出量を 30% 削減する(2019 年度基準)。

この大胆な公約は、排出量目標を 10 年以上にわたって設定しそれを達成し続けているという実績が基盤にあります。シスコの現在および過去のエネルギー目標、GHG 排出目標、その他の環境目標すべての要約については上記および下記の表をご覧ください。また公的目標の達成に向けて継続的な進展を図るために、社内の年間目標を設定して定期的なレビューもしています。シスコが公表している環境目標は国連の持続可能な開発目標に沿って設定されています。

シスコでは困難な問題にも意欲的に取り組む姿勢を盛り込んだ、環境に対する公約も掲げています。たとえば、2018 年 1 月の世界経済フォーラム年次総会に出席した会長兼 CEO の Chuck Robbins は、製品の回収率 100% を公約として掲げました。これはお客様から要請があれば無料で使用済み機器を回収するもので、その取り組みを推進するためのツールとインセンティブを拡充し、機器の再生、改修、修理による再利用を進めることを表明しています。

スコープ 1 ~ 3 の排出量の概要

以下の表は、スコープ 1、2、3 の排出量の概要を示したものです。特定のスコープ 3 カテゴリに関する情報については、以下のドロップダウンを参照するか、2022 年の CDP 回答の C6.5 を参照してください。シスコの事業でのエネルギー使用量とスコープ 1 および 2 排出量の詳細は、シスコの事業活動をご覧ください。

まずは表の数値を理解するうえで重要な背景情報をご確認ください。

  • 現在はスコープ 3 のいくつかのカテゴリの計算方法に改良を施している段階です。その結果、以下の表で報告されているスコープ 3 の数値は、ESG レポートハブの以前のバージョンで報告された数値や、過去の CDP 回答とは異なる場合があります。計算方法が強化されるにつれて、最新のデータを報告できるよう目指しています。
  • スコープ 3 の数値は、売上やサプライチェーンへの支出の変化など、さまざまな要因によって年ごとに変化する可能性があります。
  • CDP のサプライチェーンプログラムの一環で毎年夏に GHG 排出量を報告している企業は、データがある前年度のデータを提出します。シスコの場合は 2022 年夏の時点では 2022 年度のデータがまだなかったため、2021 年度のデータを報告しました(2022 年の CDP 回答)。したがって、2022 年度のデータは 2023 年夏に CDP に報告します。
スコープ 1 ~ 3 の排出量の概要
排出カテゴリ CDP の回答評価状況 2019 年度(基準年、トン単位の CO2 相当量) 2020 年度(トン単位の CO2 相当量) 2021 年度(トン単位の CO2 相当量) 2022 年度(トン単位の CO2 相当量)
排出カテゴリ:スコープ 1 の排出量 CDP の回答評価状況:N/A 2019 年度(基準年、トン単位の CO2 相当量):46,652 2020 年度(トン単位の CO2 相当量):38,743 2021 年度(トン単位の CO2 相当量):26,694 2022 年度(トン単位の CO2 相当量):34,264
排出カテゴリ:スコープ 2 の排出量(ロケーションベース) CDP の回答評価状況:N/A 2019 年度(基準年、トン単位の CO2 相当量):651,331 2020 年度(トン単位の CO2 相当量):607,218 2021 年度(トン単位の CO2 相当量):579,445 2022 年度(トン単位の CO2 相当量):563,944
排出カテゴリ:スコープ 2 の排出量(市場ベース) CDP の回答評価状況:N/A 2019 年度(基準年、トン単位の CO2 相当量):187,428 2020 年度(トン単位の CO2 相当量):163,645 2021 年度(トン単位の CO2 相当量):147,801 2022 年度(トン単位の CO2 相当量):108,853
排出カテゴリ:スコープ 3 の排出量(合計) CDP の回答評価状況:N/A 2019 年度(基準年、トン単位の CO2 相当量):28,200,750 2020 年度(トン単位の CO2 相当量):25,522,549 2021 年度(トン単位の CO2 相当量):23,623,015 2022 年度(トン単位の CO2 相当量):21,221,553
排出カテゴリ:カテゴリ 1:購入した製品とサービス1 CDP の回答評価状況:関連あり、算出済み 2019 年度(基準年、トン単位の CO2 相当量):6,786,890 2020 年度(トン単位の CO2 相当量):5,792,784 2021 年度(トン単位の CO2 相当量):5,363,781 2022 年度(トン単位の CO2 相当量):4,811,562
排出カテゴリ:カテゴリ 2:資本財 CDP の回答評価状況:関連あり、算出済み 2019 年度、2020 年度、2021 年度、2022 年度(トン単位の CO2 相当量):(カテゴリ 1 に包括)
排出カテゴリ:カテゴリ 3:燃料およびエネルギー活動(スコープ 1 または 2 に含まれないもの) CDP の回答評価状況:関連あり、算出済み 2019 年度(基準年、トン単位の CO2 相当量):120,263 2020 年度(トン単位の CO2 相当量):110,917 2021 年度(トン単位の CO2 相当量):105,740 2022 年度(トン単位の CO2 相当量):92,615
排出カテゴリ:カテゴリ 4:輸送、配送(上流)2 CDP の回答評価状況:関連あり、算出済み 2019 年度(基準年、トン単位の CO2 相当量):989,830 2020 年度(トン単位の CO2 相当量):846,694 2021 年度(トン単位の CO2 相当量):756,169 2022 年度(トン単位の CO2 相当量):835,024
排出カテゴリ:カテゴリ 5:事業から出る廃棄物 CDP の回答評価状況:関連あり、算出済み 2019 年度(基準年、トン単位の CO2 相当量):816 2020 年度(トン単位の CO2 相当量):1,114 2021 年度(トン単位の CO2 相当量):509 2022 年度(トン単位の CO2 相当量):566
排出カテゴリ:カテゴリ 6:出張3 CDP の回答評価状況:関連あり、算出済み 2019 年度(基準年、トン単位の CO2 相当量):387,853 2020 年度(トン単位の CO2 相当量):182,638 2021 年度(トン単位の CO2 相当量):7,283 2022 年度(トン単位の CO2 相当量):81,815
排出カテゴリ:カテゴリ 7:雇用者の通勤 CDP の回答評価状況:関連あり、算出済み 2019 年度(基準年、トン単位の CO2 相当量):79,735 2020 年度(トン単位の CO2 相当量):49,463 2021 年度(トン単位の CO2 相当量):4,575 2022 年度(トン単位の CO2 相当量):7,249
排出カテゴリ:カテゴリ 8:リース資産(上流) CDP の回答評価状況:関連なし、説明あり        
排出カテゴリ:カテゴリ 9:輸送、配送(下流)2 CDP の回答評価状況:関連あり、算出済み 2019 年度(基準年、トン単位の CO2 相当量):150,100 2020 年度(トン単位の CO2 相当量)103,854 2021 年度(トン単位の CO2 相当量)102,983 2022 年度(トン単位の CO2 相当量)79,164
排出カテゴリ:カテゴリ 10:販売した製品の加工 CDP の回答評価状況:関連なし、説明あり        
排出カテゴリ:カテゴリ 11:販売した製品の使用4 CDP の回答評価状況:関連あり、算出済み 2019 年度(基準年、トン単位の CO2 相当量)19,675,170 2020 年度(トン単位の CO2 相当量):18,426,615 2021 年度(トン単位の CO2 相当量):17,272,636 2022 年度(トン単位の CO2 相当量):15,307,005
排出カテゴリ:カテゴリ 12:販売した製品の廃棄(製品寿命) CDP の回答評価状況:関連あり、算出済み 2019 年度(基準年、トン単位の CO2 相当量):10,093 2020 年度(トン単位の CO2 相当量):8,469 2021 年度(トン単位の CO2 相当量):9,339 2022 年度(トン単位の CO2 相当量):6,552
排出カテゴリ:カテゴリ 13:リース資産(下流) CDP の回答評価状況:関連なし、説明あり        
排出カテゴリ:カテゴリ 14:フランチャイズ CDP の回答評価状況:関連なし、説明あり        
排出カテゴリ:カテゴリ 15:投資 CDP の回答評価状況:関連なし、算出済み 2019 年度に関連性を審査し、重要でないと判断  

1 2019 年度から 2022 年度までを、当年度の調達額と前年度のサプライヤ排出原単位を使用して修正しました。

2 航空輸送に関する Defra の排出係数を更新し、直接および間接の気候変動の影響を含めました。

3 2019 ~ 2022 年度の排出量を修正し、追加の移動手段、飛行機による出張の気候変動に対する直接および間接の影響を Defra から得て含めました。

4 シスコが販売した製品の使用による GHG 排出量の計算方法は、おおむね温室効果ガスプロトコルに基づいています。計算では、現在使用されている(報告年またはそれ以前の年に販売された)製品からの排出量を年間に換算した値を用いています。温室効果ガスプロトコルに従って計算された 2022 年度の GHG 排出量は、CO2 相当量で 11,978,535 トンと推定されます。これには報告年に販売された製品に関連するライフタイム排出量が含まれます。計算方法の説明については、スコープ 3 カテゴリ 11(販売された製品の使用)のセクションを参照してください。

独立の第三者機関から毎年スコープ 1 および 2 の GHG インベントリの限定保証評価を受けています。2022 年度には、この保証評価が拡大され、以下の表に記載されたスコープ 3 のカテゴリすべてが対象になりました。この評価は、ISO 14064-3 国際規格に従って実施されます。評価が完了すると、監査中に発見された排出量計算のエラーを修正します。このようにして、ESG レポートハブや関連する開示を年に 1 回修正し、保証済みのデータに一致させます。シスコの 2022 年度のスコープ 1 ~ 3 の保証声明書は、2023 年 4 月に公開される予定です。スコープ 1 およびスコープ 2 の前年度以前の保証声明書は、以下のリンクから入手できます。

スコープ 3 に関係するサプライチェーンの事業運営

シスコの GHG 排出の大半は、シスコのサプライチェーン、製品の使用、その他の間接的な排出源に起因しています。特定のスコープ 3 カテゴリに関する情報については、以下の記載を参照するか、気候変動に関する 2022 年の CDP 回答の質問 C6.5 を参照してください。スコープ 3 の GHG 排出量は、温暖化ガス(GHG)プロトコルに基づくスコープ 3 の排出量計算のための指針(バージョン 1.0)に基づいて算出しています。

このスコープ 3 のカテゴリがシスコに関連するのは、シスコが購入したコンポーネント、製品、サービスの製造および保管によって上流での排出が発生するためです。このカテゴリには、直接調達および間接調達の両方における、原材料調達から製品出荷までの排出量が含まれます。直接調達は生産関連製品の調達、間接調達は非生産関連製品の調達を意味します。このカテゴリには、Tier 1 および Tier 2 の製造、コンポーネント、倉庫の各サプライヤの GHG 排出量から配分された排出量が含まれています。排出量の配分は、サプライヤが CDP を通じて報告した全世界でのスコープ 1 およびスコープ 2 の GHG 排出に占めるシスコの財務上の割合を基に決定されます。シスコは CDP サプライチェーンプログラムの一員として、シスコとの間で重要なビジネス関係を持ち直接取引のあるすべてのサプライヤに対し、CO2 の影響を CDP に報告することを求めています。

シスコを始めとする広範な電子業界がコンポーネントの製造および製品の組み立て、テスト、出荷を世界各地のサプライヤに依存しているため、サプライチェーンの排出量がシスコの GHG フットプリントのかなりの部分を占めています。シスコでは自社のサプライチェーンにおける重大な影響を把握するため、説明責任と報告に関する世界的なフレームワークと業界標準を採用しています。

Tier 1 および Tier 2 のサプライヤからの排出量は、2030 年度のサプライチェーンの絶対削減目標に含まれています。シスコはこれらの製造、コンポーネント、倉庫の各サプライヤと協働して絶対排出目標を設定し、その達成に向けて活動しています。2030 年度までにサプライチェーンの絶対排出量を 30% 削減するには、このような取り組みが不可欠です。

さらに、拡張環境入出力モデルを使用して、Tier 3 から先の間接サプライヤによる上流での影響を推定しています。また、シスコは、戦略的なビジネス関係を築いている間接サプライヤを推奨サプライヤに指定し、優先的に連携しています。サプライヤ統合の取り組みを続けた結果、推奨サプライヤとの取引が、間接調達額全体の半分以上を占めるようになっています。責任あるビジネス活動におけるサプライヤの実績の共有と管理には、スコアカードを用いています。

これらの排出量を個別に計算し、サードパーティのサービスプロバイダーに IT 負荷をアウトソーシングする場合の影響を明らかにします。これらの排出量はスコープ 3 の「購入した製品とサービス」の計算に含まれます(カテゴリ 1)。シスコは IT サービスとしてオンプレミス、コロケーション型の Data Center as a Service(DcaaS)、Infrastructure as a Service(IaaS)、Software as a Service(SaaS)を調達しています。シスコが管理するデータセンターのオンプレミスでの排出量は、GHG 排出の年次レポートの一環として計算しています。ただし現在はより多くの IT サービスをコロケーション型のデータセンター施設やクラウド(サービスとしてのプロバイダー)に移行しつつあります。

GHG プロトコルに基づくスコープ 3 の排出量計算のための指針(バージョン 1.0)を使用して DcaaS、IaaS、SaaS の使用に関する GHG 排出量を試算しています。IaaS の計算にはパートナーから提供を受けた施設レベルのデータを使用しました。シスコは公式の収益報告、CDP に報告されたスコープ 1 およびスコープ 2 の GHG 排出量、各パートナーに対する支出額を基に自社に帰する排出割合を推定し、DcaaS および SaaS の GHG 排出量を計算しました。年間収益と CO2 排出量の情報を入手できない場合は、CO2 排出原単位の平均値とプロバイダーへの支出額を基に排出割合を推定しています。

3 つの情報源はいずれも対象期間がわずかに異なるため、矛盾がないように一致させるのは難しさもありますが、シスコとしては適切な数値と考えています。

IT サービスのアウトソーシングによる GHG 排出
KPI 2020 年度1 2021 年度 2022 年度2
KPI:IT のアウトソーシングによるスコープ 3 の GHG 排出量(拠点ベース、トン単位の CO2 相当量) 2020 年度136,086 2021 年度:55,902 2022 年度2未定
KPI:IT のアウトソーシングによるスコープ 3 の GHG 排出(市場ベース、トン単位の CO2 相当量) 2020 年度118,034 2021 年度:24,513 2022 年度2未定

1 2020 年度の数値はデータ収集の変更に基づいて更新されています。

2 2023 年度下期に更新します。

このスコープ 3 のカテゴリがシスコに関連するのは、シスコが購入した資本財の生産によって上流での排出が発生するためです。これらの排出量は個別に算出されておらず、スコープ 3 カテゴリ 1(購入した商品とサービス)に含まれます。このカテゴリでは資本財からの排出量を計算するにあたって支出ベースの手法を用い、拡張環境入出力モデルを使用して設備投資からの排出量を推定しました。

このスコープ 3 カテゴリがシスコに関連するのは、報告年中に燃料とエネルギーを購入して消費したためです。このカテゴリからの排出量を計算するにあたって燃料ベースの手法を用い、この排出量の計算に必要な燃料と電力の消費データは、シスコのスコープ 1 およびスコープ 2 のインベントリから直接取得しました。

このスコープ 3 カテゴリがシスコに関連するのは、バリューチェーンにおけるシスコ製品の輸送と配送から排出が発生するためです。このカテゴリには、報告年度にシスコが直接購入した輸送サービスと配送サービスからの GHG 排出が含まれています。このカテゴリにはシスコの物流パートナーが使用するあらゆる輸送手段が含まれますが、排出量の大部分は、製品とサービスを提供する際にシスコの製造と配送のネットワーク内で使用する航空輸送に関連するものです。航空輸送の排出量を算出するために使用した Defra の排出係数には、気候変動に対する直接および間接の影響が含まれます。これらの航空輸送による排出量は、2030 年度のサプライチェーンの絶対削減目標に含まれています。

物流パートナーは、データが用意できる場合は、配分された排出量をシスコに提出します。これによってシスコはパートナーの物流フットプリントを正確に提示して排出量削減の進捗を説明することができます。物流パートナーからの一次データが入手できない場合は、二次データソースからの入手を図ります。これらの排出スコープには、シスコが費用を負担して出荷する輸送も含まれます(GHG プロトコルに準拠)。

このスコープ 3 カテゴリがシスコに関連するのは、シスコが業務の中で廃棄物を発生させているためです。このカテゴリの排出量を計算するために、廃棄物の種類の応じた計算方法を使用しています。埋め立て廃棄物とリサイクル廃棄物からの排出量の計算には、シスコの拠点の廃棄物管理ベンダーから得た廃棄物データを使用しています。電子廃棄物からの排出量の計算にはシスコのリサイクルパートナーから得た廃棄物データを使用します。これらのパートナーは、シスコの施設とお客様の施設の両方から出た電子廃棄物をリサイクルします。詳細は製品リサイクルをご覧ください。

このスコープ 3 カテゴリがシスコに関連するのは、シスコのために業務を遂行する目的でシスコの従業員が出張するためです。このカテゴリの排出量を計算するために、距離ベース、燃料ベース、支出ベースの算出方法を併用しています。そのため、上記のスコープ 3 の表に記載されている現在の値は、過去の報告値や、2022 年の CDP の投資家向けアンケートに回答した報告値とは異なります。2019 ~ 2022 年度の排出量を修正し、追加の交通手段とホテルを含めました。航空輸送の排出量を算出するために使用した Defra の排出係数には、気候変動に対する直接および間接の影響が含まれます。スコープ 3 の出張による排出量は、コロナ禍の影響を受けたため、コロナ禍以前の 2019 年度の排出量から約 79% 減少しています。

このスコープ 3 カテゴリがシスコに関連するのは、シスコの従業員が職場に通勤するためです。このカテゴリの排出量を計算するために、平均データと距離ベースの算出方法を併用しています。シスコは、2018 年度に完了した最新の従業員通勤調査を使用して現報告年の従業員の通勤に起因する排出量を推定しました。2020 年度と 2021 年度のスコープ 3 の排出量は、コロナ禍の期間中の強制的な在宅勤務ポリシーにより、2019 年度の排出量よりも大幅に少なくなりました。従業員がオフィス復帰するにつれてこの排出源からの排出量が増加すると予想されます。

上流のリース資産はスコープ 1、2、およびカテゴリ 1 の排出量の範疇に含まれるため、このスコープ 3 カテゴリには関連しません。

このスコープ 3 カテゴリがシスコに関連するのは、シスコ製品が輸送されてお客様に配送され、そこでお客様が配送料を支払うためです。このカテゴリは過去のシスコからお客様への出荷データに基づいて算出されます。これらの出荷はシスコが運賃を負担したものです。シスコが費用を負担しない(そのためカテゴリ 9 に分類される)出荷の割合は、このデータにある比率を適用して推定しています。この比率を使用して、シスコが負担する出荷を対象に計算した排出量から、シスコが負担しない出荷による排出量を推定します。シスコが負担する出荷は、カテゴリ 4 に分類され、その計算は活動と支出に基づく方法で行われます。

このスコープ 3 カテゴリはシスコに関連しません。シスコ製品は顧客に販売された時点で最終的な形になっているためです。他の機器とのトータルソリューションとしてパッケージ化される場合がありますが、最終製品を変更する形で加工されることはありません。シスコ製品は、下流で加工されることはありません。

このスコープ 3 のカテゴリがシスコに関連するのは、販売済み製品の使用は直接的な使用段階での排出に分類され、シスコ製品は使用中にエネルギーを直接消費するためです。シスコでは、製品のエネルギー消費量、販売済み製品の数(会計年度内)、製品の予想寿命を使用して、販売済み製品の使用によって生じる CO2 相当量の総量を推定しています。シスコ製品の寿命は製品ごとに異なるため、5 年という控えめな平均値を想定しています。実際には、製品の種類に応じて 2 年から 15 年のいずれかに該当します。過去 4 年間で生じた、製品のエネルギー消費量を考慮して、過去の年間推定値を現在の年間推定値に含めています。詳細は、シスコが採用した排出量の推定方法についての分析をご覧ください。透明性のために、報告年に販売された製品のライフタイム排出量の平均値に基づく排出量も開示しています。

このスコープ 3 カテゴリがシスコに関連するのは、シスコが報告年に製品を販売したためです。排出量は、製品の重量と、出荷するすべての製品および梱包材の想定資材構成(当該年度内)に基づいて計算されます。寿命となった時点でリサイクルされるシスコ製品と梱包材の割合は、社内および EPA から得た資材ごとの過去のリサイクル率を使用して推定しています。リサイクルされない資材は、埋立処分廃棄物と見なされます。排出量は、製品および梱包のリサイクルされる資材と埋め立てられる資材の種類と割合に基づいて算出されます。

下流のリース資産はカテゴリ 11 に含まれるため、このスコープ 3 カテゴリはシスコには適用されません。

フランチャイズを使用していないため、このスコープ 3 カテゴリはシスコには適用されません。

このスコープ 3 カテゴリは、規模、影響度、さらされるリスクが最小限のため、シスコには関連しないと判断しました。

達成済みの目標

この表は、2022 年度の開始前に達成された目標の一覧です。目標または完了年に対応するパーパスレポートへのリンクとページ番号が併せて記載されています。

達成済みの目標
目標を設定した時期 目標のトピック 環境目標 最終報告を行った年
目標の発表時期:2018 年 10 月 目標のトピック:製品と梱包材 目標:バージンプラスチックの使用量を 2025 年度までに 20% 削減する(2018 年度基準)1 最終報告年度:2021 年版パーパスレポート(11、85、86 ページ)
目標を設定した時期:2017 年 9 月 目標のトピック:エネルギー/GHG 環境目標:
  1. 2022 年度までに、全世界でのシスコのスコープ 1 およびスコープ 2 における GHG 絶対総排出量を 60% 削減する(2007 年度基準)。
  2. シスコが世界全域で使用している電力の 85% 以上を、2022 年度までに再生可能エネルギーから調達する。
最終報告年度:2021 年版パーパスレポート(77 ページ)
目標を設定した時期2016 年 6 月 目標のトピック:エネルギー/GHG 環境目標:2012 ~ 2020 年度に、サプライチェーンによる GHG 排出の総量を 100 万トン削減する。 最終報告年度:2019 年版 CSR レポート(135、142、150、152、169、170 ページ)
目標を設定した時期2013 年 2 月 目標のトピック:エネルギー/GHG 環境目標:
  1. 2017 年度までに、全世界でのシスコのスコープ 1 および 2 における GHG 絶対総排出量を 40% 削減する(2007 年度基準)。
  2. スコープ 3 のシスコの飛行機での出張による GHG 総排出量を、2017 年度までに世界全域で 40%(2007 年度基準)削減する。
  3. シスコの 2017 年度の消費加重正味電力排出係数を、2017 年度末までに国際エネルギー機関(IEA)が公表している最新の排出係数世界平均の半分に削減する。
  4. 全世界でのシスコの事業用エネルギーの総使用量を、2017 年度(2007 年度比)までに収益単位あたり 15% 削減する。
  5. シスコが毎年使用している電力の 25% 以上を、2017 年度までに再生可能エネルギーから調達する。
最終報告年度:2017 年版 CSR レポート(101、102、106、108 ページ)
目標を設定した時期2008 年 6 月 目標のトピック:エネルギー/GHG 環境目標:米国 EPA Climate Leaders で表明したスコープ 1、スコープ 2 の全項目、およびスコープ 3 の飛行機での出張による GHG 排出を 2012 年までに世界全域で 25%(絶対量、2007 年基準)削減するという目標を達成する。 最終報告年度:2012 年版 CSR レポート(F14 ページ)
目標を設定した時期2006 年 9 月 目標のトピック:エネルギー/GHG 環境目標:Clinton Global Initiative(CGI)で表明したシスコのすべての飛行機での出張による GHG 排出を、2009 年度までに世界全域で 10%(絶対量、2006 年度基準)削減するという目標を達成する。 最終報告年度:2009 年版 CSR レポート(C32 ページ)

1 この目標に含まれるプラスチックはシスコが使用しているプラスチックの大部分を占めますが、サプライヤから供給される汎用部品(プリント基板など)に含まれるプラスチックは除外しています。これらの電子部品のほとんどに、プラスチックの持つ電気絶縁特性が不可欠です。再生プラスチックの再利用が増えたこととコロナ禍の影響を受けて目標を達成しましたが、シスコでは引き続きバージンプラスチックの使用量をさらに削減する方法を模索しています。