サプライチェーンにおける環境スチュワードシップ
シスコは、部品から製造、ロジスティクスに至るまでシスコのグローバルネットワークが環境に与える影響を軽減する責任を負っています。
シスコは、部品から製造、ロジスティクスに至るまでシスコのグローバルネットワークが環境に与える影響を軽減する責任を負っています。
すべての人に開かれた未来を実現するための取り組みの一環として、シスコはサプライヤと協力して、シスコが事業を展開する地域社会における気候変動対策と健全なエコシステムの実現を支援しています。シスコはさまざまな活動を通じて、天然資源の効率的な使用、汚染の軽減、気候変動に対する強靭性の向上などのサプライヤの取り組みを支援しています。シスコは、生活の糧が得られる地球環境で暮らすことは人権であると考えています。
Gartner Supply Chain Top 25 for 2022 にて
IPE Supply Chain Corporate Climate Action Transparency Index 2022 の IT 分野
にて
IPE Green Supply Chain Corporate Information Transparency Index 2022 の IT 分野にて
シスコは、グローバルサプライチェーンでの活動にまで拡大して環境に関するパフォーマンスの測定と管理を行います。Tier 1 および Tier 2 のサプライヤに対しては、全社における GHG 排出を CDP サプライチェーンプログラムを通じて開示するよう求めています。シスコは長年にわたり、サプライヤに対して明確で一貫性のある期待を提示することで、サプライヤによる情報提供のレベル向上を図ってきました。シスコが期待していることは標準のサプライヤ管理プロセスに組み込まれています。シスコ自身の活動において絶対的な削減目標を設定し達成してきた経験が基礎となっています。
あらゆる企業にとって、気温上昇を産業革命以前と比較して 1.5°C に抑えるという気象科学に基づく要請に沿って活動を見直すことの優先度が高まっています。そこで、シスコはサプライヤに絶対的な GHG 排出削減目標を設定するよう積極的に働きかけています。サプライヤが長期的な GHG 排出削減に対する責任を明確に表明する最もインパクトの強い方法は、絶対的な削減目標の設定であるとシスコは考えています。
2019 年度 | 2020 年度 | 2021 年度 | 2022 年度 | |
---|---|---|---|---|
絶対的な GHG 削減目標を公表しているサプライヤ(調達額の割合) 目標:2025 年度までに、シスコの部品、製造、物流サプライヤの 80%(調達額の割合)に、GHG 排出の絶対的な削減を公的な目標として設定させる。* | 2019 年度:23% | 2020 年度:33% | 2021 年度:38% | 2022 年度:78% |
シスコは 2030 年度までに、サプライチェーンに関連するスコープ 3 の GHG の絶対排出量を 30% 削減(2019 年度基準)することを約束しています。この目標を達成するために、シスコは、サプライヤに対し GHG 排出とエネルギー消費量を CDP に毎年報告するよう要請しています。サプライヤの報告に対して要請している事項をまとめます。
* 認められた科学的根拠のある方法論に沿ったものが望ましいです(1.5°C または 2°C を大幅に下回るシナリオを想定)。目標期間中に絶対排出量の削減が実現する原単位目標を設定したサプライヤを含みます。
スコープ 3 の排出カテゴリについてはこちらをご覧ください。
2022 年度、シスコは業界の複数の活動に貢献しました。その中で、GHG 排出削減についてサプライヤを教育し、その取り組みへの参画を促しました。シスコは、CDP が後援し、業界の連携と環境に関する情報開示における優先事項について概説したサプライヤ宛ての書簡に、3 年連続で署名しました。
シスコは CDP と提携して、サプライヤ向けに 2 つのトレーニングウェビナー(1 つは英語で、もう 1 つは標準中国語)を共催しました。最初のセッションでは、シスコの CDP 要件と、それらの要件を満たすためのサプライヤ向けのリソースについて説明しました。2 つ目のセッションは CDP が主催し、GHG 関連の情報共有に関するベストプラクティスを提供し、CDP アンケートへの回答について段階的なサポートを提供しました。これらのウェビナーでは、包括的な環境戦略の一環として、科学に基づく GHG 削減目標を設定することの重要性を強調しました。
さらに、シスコは同業他社と協力して、サプライヤから施設レベルのエネルギーデータを収集するためのアンケートを作成しました。CDP への報告は企業レベルで行われるのに対し、このアンケートは拠点レベルの洞察を得ることを目的としています。現在、RBA のメンバーがサプライヤに対してこのアンケートを実施して、エネルギー効率への取り組みと再生可能エネルギーの調達に関する進捗状況を収集できるようになっています。このアンケートは、サプライヤが個々の拠点におけるエネルギー指標とプログラムに関する情報を共有するための標準化された形式を提供することで、業界全体のさらなる参画とコラボレーションをサポートします。
シスコは、削減に向けた科学的根拠のある道筋に照らしてサプライヤの排出データ、目標、実績を追跡できるサプライヤ管理プラットフォームを使用しています。このプラットフォームには、シスコの部品、製造、倉庫サプライヤに関するデータが含まれています。2022 年度には、16 の戦略的サプライヤをこのツールにオンボーディングしました。シスコはこのツールを、GHG 削減計画を追跡し、最も影響の大きいサプライヤとの戦略的議論を促進するためのエンゲージメント プラットフォームとして使用しています。来年はさらに多くのサプライヤをプラットフォームにオンボーディングする予定です。
循環型経済の促進に注力することで、サプライチェーンの上流での材料消費を把握する取り組みが加速しました。シスコは、シスコの部品サプライヤと製造サプライヤの 70%(調達額の割合)が、2025 年度までに 1 つ以上の拠点で廃棄物ゼロ転換率を達成することを確約しています。この目標を達成するために、シスコは製造パートナーに対して廃棄物転換データの監視と収集を要請しています。要請している内容には以下のようなものがあります。
2022 年度は、Green Business Certification Inc. が提供するサイトレベルの認定プログラムである TRUE Zero Waste とのパートナーシップを継続しました。このパートナーシップにより、廃棄物ゼロ転換率の達成や製造拠点におけるリソース効率の最大化といった製造パートナーの取り組みを支援し、結果を検証することができます。また、シスコは、廃棄物ゼロの目標を達成するために UL および ISO 認証プログラムを利用する製造パートナーをサポートしてきました。その一環として、シスコは廃棄物目標の達成に関連する UL および ISO 認証を受け入れています。また、サプライヤによる拠点の再認証や、廃棄物転換に関するデータの分析も支援しました。シスコは現在、サプライヤ拠点の固形廃棄物に関する 2025 年度の目標を達成できるよう取り組んでいます。
2020 年度 | 2021 年度 | 2022 年度 | |
---|---|---|---|
サプライヤでの廃棄物ゼロ目標の達成度1 つ以上の拠点で廃棄物ゼロ転換を達成しているサプライヤ 目標:2025 年度までに、シスコの部品・製造サプライヤの 70%(調達額の割合)が、1 つ以上の施設で廃棄物ゼロ転換を達成する。 | 2020 年度:23% | 2021 年度:23%* | 2022 年度:51% |
*2021 年度のデータはデータの有効性に基づいて更新済みのため、2020 年度および 2022 年度のデータとの間で方法の一貫性が維持されています。
シスコが事業廃棄物をどのように管理しているかをご覧ください。
シスコは、部品、製造、ロジスティクスの各サプライヤに対して、絶対的な GHG 排出削減目標を設定して公表するよう働きかけることに重点を置いています。ロジスティクスパートナーの排出削減により、シスコは 2025 年度と 2030 年度の目標を達成できる見込みです。
輸送関連の排出量の 90% 以上が航空輸送によるものであるため、この分野は特に重要です。シスコには、お客様の期待に応えながら、可能な限り輸送モードを航空輸送から海上輸送にシフトし、工場から工場へのグローバルな出荷を最適化する「モードシフト」のイニシアチブがあります。製品の海上輸送における GHG 排出量は航空輸送よりも大幅に少ないため、輸送フットプリントの削減につながります。
2022 年度、シスコは、ロジスティクスにおける排出量のフットプリントを測定および管理する方法を改善するための措置を講じました。11 社のロジスティクスパートナーにインタビューを行い、それぞれの GHG 削減戦略の詳細を把握するとともに、コラボレーションの機会を探り、報告された排出データの粒度と詳細度を高める方法について話し合いました。
シスコは GHG 削減の取り組みに加えて、ロジスティクスに伴う材料の無駄を最小限に抑えるよう努めています。たとえば、北米のフルフィルメントセンターでは、木製パレットの代わりに、より耐久性が高く寿命が長い再利用可能なパレットを使用しています。2019 年度からは、従来のプラスチック ストレッチ フィルムに代わる持続可能な代替品として、再利用可能なパレットラップも活用しています。この取り組みにより、2019 年度から 2022 年度の間に約 92,058 キロ(202,953 ポンド)のプラスチック製ラップの使用を回避できました。これは、1,600 万枚の高密度なレジ袋に相当します。
シスコは、環境に配慮したサプライチェーンを構築するという全体的な目標の一環として、水の使用を管理する上で積極的な役割を果たしています。気候変動は予測不可能であるため、水の使用量と全体的な管理方法を把握することは重要です。
シスコにとって、水の問題は人権問題でもあります。干ばつが発生する地域で事業を展開しているサプライヤは、水の使用と周辺住民のニーズとのバランスを取る必要があります。そのため、シスコはすべての上位サプライヤに対して、水の使用量を報告し、削減目標を設定するよう求めています。シスコは水資源スチュワードシップを改善するため、水に関するリスクが高いと分類されたサプライヤと協力して問題に取り組んでいます。デューデリジェンスプロセスの一環として、シスコはサプライヤ拠点に影響を与える可能性のあるすべてのリスクと機会を理解する必要があります。また、シスコには、サプライヤに対して影響力を行使し、水源の責任ある使用と管理を促す責任があります。
全体として、シスコの Tier 1 製造サプライヤは、主に従業員の飲用や、オフィスでのその他の一般的な使用のために、少量の水を消費します。Tier 2 の部品サプライヤは、半導体やプリント回路基板の製造に大量の水を使用します。
シスコは、グローバルサプライチェーンにおけるウォーターフットプリントを深く理解するために、引き続き情報の開示と透明性の向上を推進しています。この 2 年間、シスコはサプライヤに対して 水の安全性に関する CDP の調査に回答するよう求めました。2022 年度は 2021 年度よりも多くのサプライヤが調査に参加しました。シスコの製造パートナーの 100%、および部品サプライヤ上位 80 社の 94%(調達額の割合)が、CDP による 2021 年の水に関する調査に 2022 年度内に回答しました。
さらに、2022 年度には、次のような CDP の調査結果が得られました。
シスコは CDP と継続的に協力して、水の使用量に関する情報をほとんど、またはまったく開示せずに水を大量に消費しているサプライヤを特定しています。2022 年度、シスコは、水の使用に関するデータ開示について話し合うため、数社のサプライヤと会議を開きました。その中には、太湖と珠江流域の近くにある 2 社のサプライヤも含まれていました。2021 年度の CDP 報告結果を基準年として、シスコはサプライヤの報告メカニズムの改善に着手し、達成しました。このように報告を行うことで、シスコが貴重な情報を得られるだけでなく、透明性が向上し、サプライヤが水に関する自社のリスクと機会を理解できるようになることを期待しています。
2022 年度には引き続き、シスコのサプライチェーンが事業を展開している主要な流域内で水資源スチュワードシップを推進しました。シスコは、WRI Aqueduct Risk Mapping ツールを使用して、水に関する 3 つの主要なリスク要因(量、質、規制/評判のリスク)の観点から、世界中のサプライヤ拠点を評価しました。この評価は、シスコのサプライヤ拠点の位置座標に基づいて行われました。シスコは、特定の拠点の支出データと水の消費量の推定値を組み合わせて、水に関するリスクが特に高い 3 つの流域(中国本土の太湖、珠江、台湾西部の大安渓/大甲渓/曽文渓)を特定しました。シスコは、2022 年度の水資源スチュワードシップ プログラムの対象として、これら 3 つの流域から 8 つのサプライヤ拠点を選択しました。
シスコの水資源スチュワードシップ プログラムは、シスコが 2021 年度に Water Stewardship Asia Pacific および同業他社と協力して International Water Standard から作成した ICT 水資源チェックリストに基づいています。AWS 基準は、ICT 業界で最も包括的な水資源スチュワードシップ基準と見なされています。サプライヤは AWS 基準の適用を開始するにあたって支援を必要としていました。そこで、シスコといくつかの同業他社は Water Stewardship Asia Pacific と協力して、サプライヤが AWS の実装を開始できるようにするためのチェックリストを作成しました。チェックリストは 45 の指標と 3 つのレベルで構成され、サプライヤのパフォーマンスを 5 つの側面(水資源管理システム、水の測定とパフォーマンス、ステークホルダの関与、気候変動への適応と緩和、コミュニケーションと開示)から評価できるようになっていました。
選択されたサプライヤは、各指標に対して自己評価を完了し、それを裏付ける証拠を提出します。次に、レビュー担当者がその内容を評価し、指標ごとに現在の進捗状況を反映するレベルを割り当てます。たとえば、レベル 1 はサプライヤが基本要件を満たしていること、レベル 2 は高度な要件を満たしていること、レベル 3 はセクターのベストプラクティスを実践していることを意味します。サプライヤがレベル 3 に達している場合、シスコは、そのサプライヤが AWS 認証を取得する準備が整い、水資源スチュワードシップの取り組みに沿った進歩を示していると判断します。
2022 年度には、中国を拠点とする AWS チームが開発したオンライン評価ツールを使用して、8 つのサプライヤ拠点が ICT 水資源チェックリストを完了しました。数回のオンラインレビューと、対象サプライヤ拠点の環境担当者とのディスカッションを通じて、シスコは 8 つのサプライヤ拠点の初期評価の結果と、各指標についての進捗報告を得ました。結果は次のとおりでした。
シスコが特定した上位 5 つの分野は次のとおりです。
シスコの目標は、ICT 水資源スチュワードシップ アクション プラン プロジェクトを通じて、2022 年に指標全体で意義のある改善を確認することです。2022 年度末までに、6 つのサプライヤ拠点が、123 の指標について期限付きのアクションプランを提出しました。
現場での水資源管理能力の構築は、水不足の地域にあるにもかかわらず大量の水を消費するシスコのサプライヤを対象としています。シスコは 2021 年度に、太湖盆地にある 2 つのサプライヤ拠点で、現場での水資源管理能力の向上を目指して 2 つの活動を開始しました。2022 年度はコロナ禍の影響により、これらの活動を完遂することができませんでした。パンデミックによる混乱が続く見通しにもかかわらず、現場での水資源スチュワードシップ活動は 2023 年度も順調に進行しています。
シスコのサプライヤの大半は、水資源スチュワードシップを推進するにあたり、周囲のコミュニティをはじめとするステークホルダを関与させるためにさらなるサポートを必要としています。シスコは、Friends of Nature(FON)の GAIASCAPE Studio と協力して、14 のサプライヤ拠点(ICT 水資源チェックリストの対象となった 8 つのサプライヤ拠点を含む)の管理者向けに、オンライン エコデザイン トレーニングの提供を開始しました。このトレーニングでは、現場の水資源スチュワードシップを改善するための知識とツールを提供しました。具体的な内容は次のとおりです。
2022 年の夏には、14 のサプライヤ拠点から合計 20 名の研修生が参加し、4 つのオンラインコースを受講しました。研修生はいくつかのグループに分けられ、コホート内で協力してエコデザインの知識とスキルを応用しました。各グループは、雨水のリサイクルと低炭素グリーンベルトに関するソリューション(CO2 吸収プラントやソーラーパネル照明システムなど)を設計しました。
シスコは、オンライントレーニングのフォローアップとして、長江下流と珠江デルタの 2 か所でオンサイト エコデザイン ワークショップを実施する予定です。オンサイトワークショップでは、コミュニティの住民と NGO が一堂に会し、サプライヤが拠点の直接的なフットプリントの範囲外にあるステークホルダと積極的に関与する場を提供します。この共同イベントでは、ステークホルダが関与する機会についても概説し、その促進を図ります。
全体として、シスコは引き続き、資源としての水をより適切に管理し、ステークホルダの関与とコラボレーションを促進するという目標を掲げて、サプライヤの水資源スチュワードシップの取り組みを評価していきます。
環境の汚染と劣化は、人々とその生態系に影響を与えます。サプライチェーンを使用してプラスの結果を生み出すという目標に沿って、シスコはサプライチェーン内の公害問題を追跡して対処するだけでなく、軽減と是正を求めるライツホルダの要求にも応えます。
環境の持続可能性と人権に対するこのコミットメントは、下層のサプライヤを含め、サプライチェーンのすべての階層に及んでいます。また、シスコはその対象を世界中に広げ、業界全体にわたって主要な非営利団体と提携しています。
たとえば、シスコは Institute of Public and Environment Affairs(IPE)とのパートナーシップを継続中です。中国本土にあるサプライヤ拠点から生じる環境リスクの回避と軽減に向けて一連の活動を実施しています。シスコは Green Supply Chain の取り組みで IPE から評価され、2022 年度末に Corporate Information Transparency Index(CITI)の IT 産業分野で 1 位を獲得しました。
2016 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 |
---|---|---|---|---|---|---|
2016:11 | 2017:12 | 2018:7 | 2019:2 | 2020:2 | 2021:1 | 2022:1 |
シスコが進めている一連の取り組みでは、IPE の Blue Map データベースを活用して、現在および過去の環境基準違反を確認しています。シスコは、あらゆる環境問題に対処して軽減し、現地の環境法令を遵守するようサプライヤに強く働きかけています。さらに、シスコは、サプライヤに対して実施した是正措置計画を IPE の Web サイトに公開するよう求めています。その目的は、環境問題に関する透明性を高めること、対象拠点が違反を是正するスケジュールを明示することです。2022 年度には、中国本土の 17 のサプライヤ拠点が環境基準違反を是正し、IPE の Blue Map から削除されました。
シスコは製造パートナーに対して、Green Supply Chain イニシアチブと名付けたプログラムの一環として、こうした期待を製造パートナーのサプライヤにも伝えるよう働きかけています。人権問題と同様に、シスコは、サプライヤが環境面でのパフォーマンスと透明性を向上させる能力を構築できるようにすることを目指しています。2020 年度以降、中国本土の製造パートナーすべてが、IPE の Blue Map を活用して直接取引している原材料サプライヤの環境パフォーマンスを管理するプログラムを実施しています。
環境に関する情報開示と透明性は、サプライチェーンが人々と地域社会に与える影響を理解するために不可欠です。シスコのサプライヤは、化学物質の使用や、処理または廃棄のための移動が可能な汚染物質の放出などにより、事業が周囲の環境にどのような影響を与えるかについての情報を公開する必要があります。このデータを収集すれば、環境保護の取り組みを見極め、汚染の改善に向けたサプライチェーンとしての目標を設定することもできます。
2022 年度に、シスコは報告要件を中国本土のすべてのサプライヤに拡大し、IPE の Web サイトにある報告システム汚染物質排出・移動報告書(Pollution Release and Transfer Report(PRTR))を通じて、省エネ、水、大気、廃棄物の情報を開示することを推奨しました。2022 年度に PRTR での情報開示を実施したサプライヤ拠点の数は 175 でした。それに対して、2021 年度は 118 でした。参加拠点数が全体的に増加した理由の 1 つは、製造パートナーが直接のサプライヤに対して開示の取り組みに参加するよう依頼したためです。
2022 年度も、シスコは中国本土のサプライヤ拠点を対象に環境トレーニングウェビナーを開催し、シスコの環境要件と公開されている環境目標について再度強調しました。ある戦略的 ODM サプライヤは、人工知能と Internet of Things(IoT)技術を使用してエネルギーを節約し、全体的な GHG 排出量を削減する方法に関するベストプラクティスを共有しました。
2022 年度に、シスコはサプライヤとその下位サプライヤに対して、IPE が主催する一連の環境トレーニングへの参加を促しました。このトレーニングでは、環境に関するさまざまなトピックが取り上げられました。以下にその一例をご紹介します。
公害の防止と管理 | このトレーニングでは、新しい環境規制について議論し、サプライヤが揮発性有機化合物に関する新しい政策および規制を理解できるようにしました。 |
---|---|
社内外における環境リスクの管理 | このトレーニングでは、IPE の Blue Map データベースと EcoChain システムを使用してサプライチェーンの環境リスクを管理する方法と、サプライヤが GHG 排出データを測定および開示するための戦略について説明しました。 |
GHG 排出量とデータの 報告 |
このトレーニングでは、IPE の GHG Accounting Platform 2.0 の概要を説明し、GHG 削減目標の設定と炭素資産の管理に関するアドバイスを提供しました。 |
シスコは、IPE の Blue Map データベースを通じてサプライチェーンの環境への影響を管理している Tier 2 サプライヤが増えていることを認識しています。また、シスコは下層サプライヤに水と GHG への影響について報告するよう奨励し、成功を収めています。